先週末にAppleからiBooks Authorがリリースされ、停滞している電子書籍関連の話題が急に盛り上がってきました。
また黒船か!という気もしますが、iPadという閲覧デバイスで業界を引っ張っているだけに、さすがに影響力も大きいですね。

このiBooks Author、少し触ってみましたが、なるほど良くできています。

あまりご存知ない方のために言うと、iBooks Authorというのは、iPhoneやiPadに最初から
入っているけど、たぶんあまり使われていないiBooksというアプリで閲覧できる電子書籍を
ものすごーく簡単に作れるツールです。

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ちなみに糸井重里さんの「ほぼ日刊イトイ新聞」でも佐々木俊尚さんとの対談を
「作ってみました」って形で公開されてます。

http://www.1101.com/sasaki_toshinao/2012-01-24.html
ずっと下にスクロールするとあります。

やっぱりPCでWEBで見るのとは少し感覚が違います。

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一般的にはパワポで資料が作れる人なら少し慣れれば大丈夫、
既にKeynoteを使っている人なら何の違和感もなく、すぐに作れそうです。

それくらいユーザビリティに配慮した良いアプリケーションです。
この「誰でも使える」というのは相当Appleが意識した点で、彼らの戦略が透けて見えます。
相手はプロではないんですね。まずは教育機関向けなので当然ですが、これ大事なトコだと思います。

さらに、無料であればメール添付や、ダウンロードURLで簡単に配布できるのも魅力です。
今までは、制作会社に頼んで有料で作ってもらい、Appleの審査を通して時間も手間もかけていたのが、
それではコンテンツは爆発的には増えない。

App Storeの中でも無料の電子書籍アプリはありますが、
トライしてみたものの、結果が出なかった方が多いんじゃないかな。

それが発信者自らが簡単に発行できるようになったのですから、これは「量的に」大きな進化と言えます。
玉石混交にはなるでしょうが、その中からしかたくさんの宝石はとれないですからね。

そしてAppleの垂直統合モデルから言えば、次に狙うのはプラットフォームの拡張でしょうか。

iBook Storeを発展させるには、質の良い無料コンテンツが毎日追加されるような状況が望ましいのですが、
Macユーザーだけでそれを支えるのは現状厳しいし、その為にみんなMac買ってね!って
いうのもさすがにちょっと無理があります。
まあAppleさん教育市場には並々ならぬ思い入れがありますから、分かりませんけど。

個人的には、WindowsユーザーにもiPad用の魅力あるiBooksコンテンツを作れる環境を用意して、
コンテンツの閲覧にはiPad、iPhone、そして次のAppleTVへつなげる戦略かな、と想像してます。
ということで、そのうちiBooks AuthorのWindows版が出るかもなーと思ってみたり。。。

そうすると、電子書籍含めたアプリ制作の流れは少し変わるかもしれませんね。
というか、私自身も今までが若干アプリに偏っていた部分があったようにも感じているので、
これはこれで良い流れだと考えています。

でも本当にこんなに簡単に作れるようになると、いかに内容を充実させるかが大事ですね。
映像も入れたくなるし、3Dも面白そうだし、写真もキレイに撮ってちょっと加工したいし。
iMovieとかiPhotoでやってきたことも繋がってるのかと考えると、
うーん、さすがApple。。。

ビジネスで考えた時には、もう一味あると面白いと思うのですが、
そこは各自ご自由にどうぞ、というスタンスなんですね。
弊社はそこで価値を提供していきたいと思っています。

そんな時代になった今、「電子書籍」そのものも再定義する必要があるように感じていますが、
それはまた次の機会に書きたいと思います。

では。

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